四万ブルー、独特の美しい透き通る水で有名な群馬県の四万川。その川は気が遠くなる程の長い歳月を経て、周囲の岩や川底を侵食していった。
それは「四万の甌穴(おうけつ)群」と言われ、見るだけでなく間近まで行って水の中に入ることも出来るのだ。
夏の暑い日には天然のクーラーと言われるひんやり冷たい四万の水に触れたりすることで、一層夏らしさを味わうことが出来る。
今回はそんな四万の自然が造り出した造形美を紹介する。
ちなみにここから車で数分の所に、更に美しい四万ブルーを堪能できる四万湖がある。
その記事は下で紹介しているので参考にしていただきたい。
目次
四万の甌穴群とは?
群馬県の山奥、四万に向かう道中にある観光スポット、「四万の甌穴群」
澄んだ綺麗な青色ということで有名な四万川、そして四万といえば温泉、また映画「千と千尋の神隠し」の舞台の一つとなった旅館「積善館」があることでも名が知られている。
四万の甌穴群は天然記念物にも指定されており、一見の価値がある。
そもそも甌穴とは一体何なの?という疑問について、簡単にだが説明しよう。
甌穴とは川の底に出来た円形の穴のことを言う。
川のくぼみや裂け目に小さな石等が入り、グルグルかき回され周囲の層を削っていき侵食する。それが延々と繰り返される。
そして数万年という非常に長い歳月を経て、穴が大きくなっていく事で甌穴となる。
甌穴、それは果てしない時間によって造り出された、天然の芸術作品なのである。
名称 | 四万の甌穴群 |
住所 | 〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町四万3520 |
駐車場 | 無料あり |
施設料金 | 無料 |
定休日 | 無し |
トイレ設備 | 有り |
飲食事情 | カフェがあり |
公式ページ | 無し |
オススメシーズン | 夏、秋(夏が最もオススメ) |
四万の甌穴については、大小8個の穴が有り大きいもので直径が3m、深さは4mにもなる。
夏には多くの観光客が訪れ、泳いだりする人もいるそうだ。
四万の甌穴群での水遊びは禁止されているわけではないが、地元の人曰く、マナーとモラルの範囲内で楽しんでほしいとの事。
また天然記念物保護、事故防止のため、遊泳については警告することもあるそう。
アクセスについて
四万の甌穴群の場所は群馬県の中之条町に位置している。四万温泉に向かう一本道の脇にあり、山奥の峠とかクネクネした道ではないためアクセスはしやすい。
しかしながら当然の如く電車は通っていないため、車でのアクセスが基本となる。
〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町四万3520
- 東京方面から
関越自動車道 渋川伊香保ICで降り、約36km、50分程で到着 - 新潟方面から
関越自動車道 沼田ICで降り、約43km、1時間程で到着
※算出時間はGoogleMapsを利用
- 電車で「中之条駅」まで行く
四万温泉の路線バスに乗り「四万甌穴前」で下車
約20分前後で到着
詳しくは時刻表を参照
駐車場やトイレについて
駐車場は無料で停めることが出来る。大型の観光バスも停めることが出来る大きさなので、満車になって入れないという心配はしないでいいだろう。
駐車場については舗装されていないので、雨の日は泥の水たまりが出来たりするので小綺麗な格好で来ないほいうが良いだろう。
その前に、甌穴に行くこと自体濡れる可能性や、苔で滑る可能性もあるので、歩きやすい靴、服装でくるのが鉄則だ。
トイレについては駐車場内にある。もちろん男女別々なので安心していただきたい
カフェ「kiseki」
駐車場の隣にはカフェ「kiseki」がある。甌穴を見た後にコーヒーを一杯飲む、至福のひとときに変わるだろう。
もちろん食べ物もあるので小腹が空いたら利用してみるといいだろう。
見た目もかわいい本格的なスウィーツがあり、インスタ映えするような内観と外観なkiseki。
四万の甌穴群はデートスポットというには年齢層が高めだが、このようなおしゃれなカフェがあることで若いカップルでもカフェ目当てで四万の甌穴群を知ってもらえたら嬉しい。
- 不定休
- 営業時間は10:30 ~ 15:00
- TEL.0279-64-2290
春頃には桜が咲くので、テラス席で桜を見ながらコーヒーを飲むという贅沢なひとときを味わうことも出来る。
甌穴までの道のり
では実際に甌穴を見てみよう。甌穴までは駐車場から徒歩にして1分ほど、車を停めてすぐいける距離である。
だがその前に気をつけてほしい事があるので目を通しておいてほしい。
- 甌穴の周辺は水辺なので、非常に滑る。ハイヒール等では絶対に来ないこと
- 甌穴群は天然記念物なので、汚すような事、破壊するような事は絶対にしないこと
汚さないというのは当たり前の事だが、たまにこういう場所に何でそんな格好で来た?という人を見かけるので一応書いといた。
見ての通りゴツゴツした岩場になっている。さらに所々が水しぶきで濡れていたり、ヌルヌル滑る箇所もある。
両手がふさがっていたりすると大変危険なので、身軽な格好で行くと良い。
甌穴の観光、撮影について
甌穴を見る時、カメラマンとして撮影する時についていくつか知っておいたほうが良いことがある。詳しいことは後述する。
- 季節について
- 天候について
- 時間帯について
- 撮影機材について
おおまかではあるが、以上のことを中心に解説していく。あくまでカメラマン視点での記事にはなるが、普通に観光として訪れる際にも有益な情報なので知っておくといいだろう。
ちなみに四万の甌穴群はエリア的にとても広いわけではなく、一つのスポットに留まっているので観光するにしても所要時間は長くても20~30分程といったところだろう。
行く時の季節について
まず最初に行く季節についてだが、これは何を言おうが夏に行くと最も美しく見えるだろう。
というのも、冬と春の最初は木々に緑が無くて、少しさみしい感じと岩肌が荒々しい感じがする。
悪いというのではなく、少し物足りなく感じてしまうかもしれない。
春(4月頃)
春の四万はまだ緑が生い茂っておらず、枯れ枝がちらほら散見される。
四万川は雪解け水が流れ込んでくる春~夏前にかけて最も青く輝くので、川の青さを見たい人は悪い時期ではない。
夏頃
夏になると緑が満開になり、田舎の夏らしい写真になる。どっちが良いか、それは人それぞれだが夏のほうが美しく見えるし、普通に観光するにしても見応えがある。
天候について
天候については改まって言うことではないかもしれない。もちろん晴れがいいには決まっている。
わざわざ雨の日に来たいという人はあまりいないだろう。
また、曇りの場合は水面に反射する太陽がキラキラしないのであまり映えないかもしれない。
前日、前々日が大雨や台風で天候が荒れていた場合は川の水が茶色に濁ってしまう場合がある。
当日が快晴だったとしても、前日に大雨が降ってしまった場合は美しい青色どころか、濁った茶色の川しか見れない可能性が高いので注意すること。
時間帯
四万の甌穴群の開放時間は24時間だが、夜に行っても灯りなど一切ないし、何しろ夜の甌穴群はとても危険なのでそもそも論外と考える。早朝と夕方の薄暗い時間も同じだ。
消去法だが甌穴群が美しく見える時間は、明るい時間帯ならいつでもOKということになる。
四万の大人気スポットというわけではないので、超混雑する事もあまりない。
甌穴群を目的地にするというより、四万湖を見て、四万温泉に行く道中の時間つぶしで行くという方が効率的だろう。
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撮影機材に関して
四万の甌穴をただただ普通に撮影しても良い写真という仕上がりには中々ならない。それは今回撮影して筆者がとても感じたことだ。
単に撮影スキルが乏しいということはさておき、いろいろ試行錯誤、創意工夫をしないとスマホで撮影出来るじゃんレベルになってしまう。
四万の甌穴群に関しては、「決まった構図があって、こう撮ると美しい!」というのは一切ないので自由構図で各々撮影して頂きたい。
PLフィルターを使え!
甌穴群を美しく撮影したいというカメラマンはたくさんいると思うが、そんなカメラマンにまず言うことは、
「PLフィルターを忘れるな!」
ということである。四万の甌穴群は深い青を発色する。そしてその青は透き通った青色をしている。
川底まで目で見えるほど透き通っているので、川の表面が太陽光などによりテカテカ反射していては非常に煩わしい。
そういう時はPLフィルターを使って反射を極限まで低減してあげること。これがカメラマンとスマホカメラ勢の違いを出す箇所だ。
波が立っていない場所を狙え!
そして次に大事な事は、波が立っていない箇所を狙うことだ。
当たり前だが波が立っていると表面が白く光ってしまい、川底まで透き通っていないように見えてしまう。
四万の甌穴群には静かな水面がいくつかあるので探してほしい。すぐに見つかるはずだ。
長時間露光を使え
その他には、長時間露光をしてみる、という技もある。
下の写真は小さな滝の部分を長時間露光したものだが、さざなみが発生している部分は長時間露光によりぼやけているのが分かる。カメラをやってる人なら直ぐに理解できる写真だが、知らない人からしたら不思議な写真に見えるだろう。
水面ギリギリを狙え
まぁあとは誰でも思いつきそうな水面ギリギリから撮影してみるとか。一眼レフだときついが、防水のスマホならレンズの半分を水中に入れて撮影するという技法がある。
水面ギリギリから狙うことで迫力のある写真を撮影出来る。コツとしては、超広角レンズを使うとより迫力が出る。
まとめ
四万の甌穴群、絶対に行くべきスポットという程ではないが美しく透き通っている青い水を見たいなら一度は足を運んでみるべきだろう。
周辺は四万湖、奥四万湖、四万温泉といった観光地になっているので一日中楽しめるエリアだ。
行くときは前日に大雨が降っていないかだけは注意しておこう。せっかく行ったのに川の水が茶色に濁っていては意味がなくなってしまう。