できれば誰にも教えたくはない、自分だけ知っている場所。と言うにはあまりにも有名になってしまった池、そう御射鹿池のことである。
この御射鹿池(みしゃかいけ)は長野県の茅野市の山奥にある農業用の溜池である。しかしそれはただの溜池ではなく、時に水面が鏡になる事があるのだ。そしてその時に見ることが出来る光景はまさに絶景!水面鏡は木々たちを同じ形、同じ色で映し出すのだ。
この記事では御射鹿池をカメラマンとして撮影する際の注意事項や、天候や時間帯の見え方の違いを詳しく説明していこうと思う。
御射鹿池へのアクセスや駐車場等の詳細については別記事で紹介しているので、そちらを参考にしていただきたい。
目次
写真撮影の詳細
突然だが貴方は「緑響く」という絵画をご存知だろうか?
おそらく御射鹿池を撮影しようと思っている人の3割は知っていると思われるが、「東山魁夷(ひがしやまかいい)」という人が御射鹿池をモチーフとして描いた絵画である。
「緑響く」(1982)
収蔵:長野県信濃美術館・東山魁夷館
白馬が湖の畔を走っているシーン、この情景は御射鹿池をモチーフとしている。池の水が鏡になって木々を反射させている幻想的な絵画だ。しかしこれは絵だけの世界ではなく、季節、天気、風、太陽、様々な条件が重なればこのリフレクションを見ることが出来る。
この記事の御射鹿池の写真は編集ソフトでキツめに加工している。御射鹿池はRAWで撮影した場合、その気になれば早朝の写真を夕方のように見せることも可能である。
季節の違い
御射鹿池は季節によって様々な姿を見ることが出来る。
残念ながら筆者はまだ夏の時期にしか行ったことが無いので、写真付きで紹介することは今は出来ない。
- 新緑を撮影したいなら5月下旬〜6月下旬がベスト
- 紅葉を撮影したいなら10月中旬〜下旬がベスト
リフレクションが見れる条件
御射鹿池に来たのならリフレクションは絶対に見たいものだ。だが、リフレクションも条件が揃わないと見れない時もある。事前に知識を持つことは大事なのでここで確認しておいてほしい。
- 天候は曇天がベスト
- 早朝がベスト
- 無風がベスト
以上の3つの条件の時、鮮明で綺麗なリフレクションを見ることが出来る。
逆に絶対にリフレクションが発生しない条件は、「雨」と「強風」のどちらかが発生した時だ。
時間帯によって見え方が変わる
まず御射鹿池を撮影するにあたって、最も注意すべき事は時間帯によってその姿は大きく異なることだ。リフレクションを撮影するにあたってベストな時間帯は太陽が昇っていない早朝である。
早朝
この写真はまだ夜が明けきってない辺りが暗い早朝に撮影した写真だ。太陽が葉に当たっていないので、まとまり感、落ち着いた感じ、引き締まった感じに撮影できる。
また早朝は風も穏やかなので、綺麗なリフレクションを撮影したい場合は早朝がいいだろう。
上の写真はあたりが少し明るくなってきてから撮影した。ほのかに明るいほうが緑が映える。
夕方
これは夕方頃に撮影した写真である。まだ紅葉はしていないのに太陽の影響で木々の色は黄金色に染まって見える。太陽があたっていない水面近くの木々は緑色が残ってるのが分かる。
天気によって見え方が変わる
御射鹿池はその日の天気によっても見え方が変わってくる。もし、リフレクションを撮影したなら晴れの日ではなく、曇天の日を選んだほうがいいだろう。
それは池に太陽が写り込んでしまったり、木々が照らされて白飛びしてしまったりするからである。
曇天の場合は、影が出ないため明暗が抑えられて引き締まった写真を撮影する事が出来る。
晴れ
晴れのときに撮影するとコントラストがはっきりした写真になる。この写真は編集でコントラストを下げているが、実際には明るい箇所も更に明るく、暗い箇所ももっと暗い。
曇天
曇天の場合は木々が持つ本来の色、空気感、明瞭感、静けさを表現することが出来る。全体的にまとまった写真になるのでリフレクションを撮影するなら曇天の日が狙い目である。
雨
もし雨天の日に撮影したらどの様に映るか、疑問の方は多くいると思う。結果としておすすめできない。その理由に、雨が降ることで池に波紋が発生してしまいリフレクションにならないからだ。
もしリフレクションが目当てではなく、雨の御射鹿池をいう趣旨のもと撮影するならアリだろう。
撮影スポット
御射鹿池を撮影するスポットは改修工事が行われ広くなった。また様々な角度から撮影できるため、カメラマンの場所取り合戦のような事はあまり発生しないだろう。
写真のように撮影スポットは縦に長い。ここの範囲ならどこでも撮影できるが、場所によっては手前の木々が邪魔になってしまうときもある。
見ての通り歩道はかなり広くなっている。三脚を据えて撮影していても邪魔になることはないだろう。
空撮写真
ここからはおまけだが、御射鹿池を空撮したらどう映るのかを検証してみた。
結果的には微妙な仕上がりだが、普段は見ることが出来ない視点からなので参考までに。
個人的には空撮の場合は御射鹿池よりも、太陽に照らされた森のほうが綺麗な気がするなぁ。
まとめ
今回はカメラマンとして御射鹿池で撮影する際に有益な情報を綴った。天候や時間帯、そして季節によって全く異なる姿を見せてくれるので1年を通して撮影しに行くことが出来る。
- 時間帯や天気によって見え方が変わる
- リフレクションを見たいなら早朝、曇天、無風がベスト
- 雨、強風の時はリフレクションは見れない
- 新緑は5月下旬〜6月下旬
- 紅葉は10月中旬〜下旬
- 夕方ごろになると木々は黄金色に染まる
- 撮影スポットは広いので三脚はあまり邪魔にはならない
御射鹿池のアクセスや駐車場等の詳細は以下の記事で紹介している。
ご意見、ご感想等お待ちしております。