秘境という単語にはどこかロマンが隠れている。冒険心をくすぐり、あの日の少年のように広大で圧倒的な存在感を放つ景色を想像することだろう。
今回はまさに「秘境」という言葉にふさわしい場所を紹介する。
というのも場所は山の奥に位置し、曲がりくねった細い道を通らなければならず、基本的には車でしか行くことが前提となるからだ。
それは群馬県と長野県の境目に位置する「破風岳」と呼ばれる山の事を言う。
筆者はここに魅了され何度も足を運んでいる。そしてここを秘境と呼ぶワケは単に、終日人がほとんどおらず、山の奥地にあり、景色は絵に描いたような絶景を拝むことが可能であるからだ。
今記事ではシリーズに分けて「破風岳」「毛無峠」の魅力を余すことなく詳しく解説していく。
破風岳の登山した記録や、山頂からの眺望などの詳細については別記事にしてあるので参考にしていただきたい。
日本の絶景!群馬と長野の「破風岳」に登山したら、そこは秘境だった
目次
「毛無峠」と「破風岳」とは
まず「毛無峠(けなしとうげ)」と「破風岳(はふうだけ)」のことだが、名称からわかると思うが、「毛無峠」は道であり、「破風岳」は山である。
破風岳に行く際に毛無峠を通るわけである。
毛無峠の詳細、アクセス
最初に毛無峠について説明していく。
毛無峠は名前の通り、辺りには木々が生えておらず、地面がむき出している場所もあるような峠道だ。かつてここには「小串硫黄鉱山」があり、このような山奥でアクセスも非常に悪く、周りに何もない僻地にもかかわらず2000人が暮らしていたというのが驚きだ。しかし1937年に地すべり災害が発生し245名が死亡したという記録がある。
筆者はこの事実を記事を書く上で知ったのだが、今の時代で考えたら日本中が震撼するような大災害ではないか。
破風岳に向かう場合は必ず毛無峠を通過しなければならない。
下のGoogleMapを見てもらえれば分かるが、毛無峠は山の奥に位置している。
名称 | 毛無峠 |
住所 | 〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣 |
駐車場 | 有り |
開放時間 | 24時間開放 |
周辺施設 | 無し |
飲食、自動販売機 | 無し |
山奥ということもあり片道一車線で、道路は所々舗装されていない。
とはいえ、完全なダート道というわけではない。しっかりとアスファルトにはなっているし、車の待避所も設けてはある。しかし、所々に穴が空いていたり、ガードレールがなかったりする。
上記の写真は毛無峠の最終地点にあたるが、ここだけダートになる。砂が撒き散らされているので、バイクなどは注意が必要である。落ちたら生きて帰ってこれないような場所である。
車はオフロード車や4WDじゃなくても行けるので安心してほしい。
筆者は軽の「MOVE(ターボなし)」で行ったが全く問題なかった。むしろ道が狭いので小さい車のほうが楽だ。ハイエースなどの大きい車のほうが不向きである。
また、今現在「小串硫黄鉱山」は廃墟となっているので鉱山跡が好きな写真家も訪れていた。筆者も廃墟などが好きなので、絶景と鉱山跡が見れて一石二鳥である。
毛無峠は距離的には長い方ではない。上の画像でも分かるが分岐点から毛無峠になる。
狭い一車線なのでハイエースなどの大きい車はすれ違う時は非常に大変だった。
群馬側から向かう場合、志賀草津高原ルート(国道292号)と万座ハイウェイ(有料)を通る2種類がある。
しかし志賀草津高原ルートは通行規制があり、通行可能時間帯がAM8:00〜PM4:30となっている。従って、群馬側から早朝に向かう場合は万座ハイウェイ(有料)を通る必要がある。
長野側は終日、行き来が可能なので安心してほしい。
破風岳の詳細
毛無峠の終着地点、そこは破風岳の入り口でもある。
破風岳は群馬県嬬恋村と長野県高山村の境に位置している標高1999mの山である。
登山道もあり、約30分で山頂に行けることから初心者でも安心して登山することが出来る山だ。標高差は180メートルである。
しかし、距離が短い割には高低差があるので登りきった頃には息が上がっていることが多いだろう。筆者も体力がないので結構きつかった記憶がある。
駐車場について
破風岳に登る際に車を駐車場に停めておく必要がある。破風岳には駐車場が存在するが、完全ダートである。結構大きな石がゴツゴツしているので車高の低い車はかなり注意が必要である。
見ての通り駐車場に白線などの仕切り枠はないため、各々適当に車を停めている。
手前と奥に2つ駐車場があり、破風岳に登る人は奥の駐車場のほうが若干近いのでそちらに停めた方が良いだろう。
小串硫黄鉱山
せっかくなので小串硫黄鉱山の事について軽く触れておく。
ここ毛無峠は駐車場で行き止まりになるのだが、厳密には更に奥へ通ずる道が存在する。
その道は完全ダートであり、封鎖されているので一般人は立ち入ることが出来ない。
その先に何があるのか、これぞまさにロマンというものである。
この先にはかつて小串鉱山として栄えた集落があり、最盛期で2000人が暮らしていたという。
しかし後の地すべり災害で多くの死者が出てしまい閉山となるわけである。
この先は車ではなく徒歩でなら向かうことが可能ではある。
しかし、ただでさえ山の奥で人があまりいない場所であるので、万が一遭難してしまったら元も子もない。以前、チャリダーが鉱山に向かったが遭難して死にかけたという記事を見たことがあるので、決して一人では行かないようにしてほしい。
チャリダーのその後が気になる方はリンクを貼るので参考にしてもらいたい。
チャリダーが小串硫黄鉱山に入っていったが、遭難してしまった事を綴ったブログだ。
他人事のようだが、とても読み応えがあっていい記事だ。
毛無峠と小串鉱山遭難記
まとめ
以上、「毛無峠」、「破風岳」、オマケで「小串硫黄鉱山」の簡単な説明をした。
筆者がここを知ったのは大学2年の頃で、GoogleMapで山の奥を適当に見てたら有った、というわけだ。
特にバイクに乗っているライダーの中ではとても有名な場所である。ライダーはこういう奥地が大好きなのである。
ここの近くには志賀草津道路というこれまたライダーの聖地のような道があるので、オマケでここに寄ろうと思う人が多いのだと思われる。
さておき、都会の喧騒から逃れ静寂を味わいたい人は是非ココをおすすめする。
空気も澄んでおり、人工音も一切無く、心身ともにリラックスでき、時間を忘れてしまう、まさに「秘境」で。
- 破風岳まとめ・毛無峠は峠、破風岳は毛無峠の先にある山
- 毛無峠は群馬県と長野県を跨ぐ峠で標高は1832m
- ラジコン愛好家が良く訪れている
- 峠は片道一車線でダートもある
- 群馬側から行く場合は通行止め等の情報を確認していくこと
- 破風岳は標高1999mの山で、30分程で登頂できる
- 小串硫黄鉱山には車やバイクではいけない
破風岳に登る時の注意事項や写真等は別記事にしてあるので参考にしていただきたい。
日本の絶景!群馬と長野の「破風岳」に登山したら、そこは秘境だった
おまけ
筆者の愛車だった「CBR250R」とともに。
ご意見、ご感想お待ちしております。